
子ども学部では、先日3週にわたり地域子育て支援活動「お母さんのためのゆったり芸術鑑賞会」を開催しました。
本企画は、地域に根差す大学として、子育て中のお母さんを中心に大学ならではの学びと芸術に触れる機会を提供したいという思いから実施したものです。
大学の教育資源や専門性を生かし、自分自身の知的好奇心を満たし、心豊かな時間を過ごしていただける場を目指しました。
全3回のシリーズ企画とし、1回だけでも、3回を通してでも、ご自身の予定に合わせて参加できるようにしました。
第1回は音楽、第2回は美術、第3回は映画・演劇をテーマに、それぞれの分野の魅力に触れながら、
子育てや仕事などの日常からほんの少し離れ、自分自身のためのゆったりとした時間を過ごしていただくことをコンセプトに実施しました。
第2回は、「プロセスを楽しむ描画活動」をテーマに実施しました。
参加者は、作品を描く前に、まず描画に用いる「ツール」をつくるところから体験しました。
コンテを削り、その粉をふるいにかけながら紙に落とし、指でなぞるという、普段はあまり触れることのない表現方法に取り組みました。
同じ手順で制作を進めていても、完成した作品は一つとして同じものはなく、それぞれの感性や個性が豊かに表れた作品となりました。
制作後には鑑賞会を行い、作品に込めた思いや制作中に感じたことを参加者同士で語り合いました。
「なぜその表現になったのか」「どのようなことを思いながら描いたのか」と対話を重ねることで、一人で作品を制作するだけでは得られない新たな気付きが生まれ、表現を味わう体験がより一層深まる時間となりました。

第3回は、映画・演劇をテーマに開催しました。
まず、映画『COFFEE BREAK』を鑑賞しました。
本作品は、子どもの視点から何気ない日常を描き、「当たり前」と思っていることを見つめ直すきっかけを与えてくれる作品です。
上映後には、スペシャルゲストとして映画監督の大西貴也氏と、俳優・アクション指導を担当された大岩主弥氏をお迎えし、作品に込めた思いや制作の舞台裏についてお話しいただきました。
現役の保育士でもある大西監督は、日頃子どもたちと関わる中で感じたことや見えてきた世界が、本作品の原点になっていると語られました。子どものまなざしを丁寧に捉えた作品づくりの背景に、保育者としての経験が生かされていることが伝わり、参加者の皆さんも深くうなずきながら耳を傾けていました。
また、大岩氏は劇中で「血脇武流」という満6歳児を演じるとともに、アクション指導も担当されています。
作品の見どころや撮影時のエピソードが紹介されると、会場は笑顔に包まれ、映画をより身近に感じられる時間となりました。
会の終盤には、映画のワンシーンを題材にした演劇ワークショップを実施しました。
参加者が実際に演じ、その様子を映像として見ることで、演劇と映画、それぞれの表現の面白さを体験しました。
初対面同士だった参加者も、活動を通して自然と打ち解け、協力しながら一つの作品をつくり上げる楽しさを味わうことができました。



完成した作品

大西貴也監督(右)と大岩主弥さん(左)